「何を得たいか」を最初に整理しよう
転職を決意したとき、最初に行うべきことは「転職によって何を得たいのか」を整理することです。
転職は、それまでの人間関係・職場環境をリセットし、一から再スタートする作業です。成功することもあれば、事前の想像とは違うこともあり得ます。
転職を決意したら、できるだけ早く新しい仕事を探したいことでしょう。しかし「転職によって何を得るか」が未整理のまま転職活動を始めると、満足のいく転職ができないことが多いものです。
以下は、エンジャパンさんの調査結果です。転職コンサルタントの分析ではありますが「転職理由で満足度が変わる」というアンケート結果が出ています。
転職コンサルタント100人に聞いた!転職理由から見る「転職後の満足度」調査8割が「転職理由によって、転職後の満足度に差が出る」と回答。「人間関係」を理由に転職すると、転職後の満足度が低くなる傾向に。—『ミドルの転職』転職コンサルタントアンケート— | エン・ジャパン(en Japan) 人材総合サービスを提供する、エン・ジャパン株式会社、ニュースリリースのページです。 corp.en-japan.com
「何を重視する転職なのか」を整理しないまま、転職活動を行うと、必ずどこかで自己矛盾がおきます。もし転職したとしても、目に見えない不満が溜まり、結局転職先にいづらくなってしまいます。
転職を成功させたいなら、一にも二にも「自分は転職で何を得たいのか」を整理してから転職活動に臨みましょう。
「転職のインセンティブ」は、自分に正直にならないと見つからない
転職のインセンティブを考える時に大事なことは「自分に嘘をつかない」ことです。書くと簡単ですが、実際に自己分析をしようとすると、とても難しいことです。
転職に至る経緯は人それぞれです。まずは「自分はなぜ転職活動を考えたのか」「転職によって何を得たいのか」を、言語化しましょう。
この時に大事なのは、必ず「文章」にすることです。頭で考えているだけでは、自分の心の裏に隠れた欲求や目標が見つかりません。文字にすることで、自分の考えと一致しているか、書いていることに矛盾はないか、確かめてみましょう。
インセンティブを文章にするときは、本当に自分が獲得したいものを書き出してみましょう。転職の理由は一つだけではないかもしれません。例えば、以下のような理由が出てくるでしょう。
・もっとお金が欲しい、お給料をあげたい
・上司の評価が低い、自分を認めてくれない
・仕事が古臭い、10年後を想像できない
・職場の人間関係が最悪、環境を変えたい
・残業に次ぐ残業で、疲労が限界
・もっと家族と一緒の時間を作りたい
・オリンピックを目指すために、どうしてもトレーニングの時間を作りたい
・こんな小さな会社ではなく、名の知れた一流企業で颯爽と働きたい
・プレイヤーではなく、マネジメントとして活躍し、経験を積みたい
・新しいスキルを手に入れたい
などなど。今不満に感じること、欲しいと思っていることを書き出しましょう。
ここで大事なことは「カッコつけない」「良いことを書こうとしない」ことです。転職という、人生をかけた行動をする時に、絶対見栄をはってはいけません。嫌かも知れませんが「自分が本当に得たいものは何か」を、徹底的に自分から引出しましょう。
「自分が本当に得たいもの」は、自分自身でしか言語化することができません。転職コンサルタントも、あなたの家族も、あなたの心の中は分からないのです。自分の欲望や目的は、自分自身で言語化するしかないのです。
転職が最適解か、もう一度考える
書き出した後は
・インセンティブに優先順位をつけ、本当に優先するべき項目を見つける
・現在の職場でも解決する方法はあるか、転職によって解決可能なのかをもう一度考える
の2つを実行しましょう。
転職の理由は、往々にして一つだけではありません。大抵の場合、いろいろな不満が積み重なることで考えだすものです。しかし、不満のいくつかは、転職しても解決できないかもしれません。転職は、職場環境・待遇・人間関係をゼロリセットする行為です。必ずしもプラスになることばかりではありません。
ここで整理したいことは「転職が、あなたの問題解決の最適解か」ということです。転職は、博打のような側面があります。転職によって給料が上がったり、人間関係が改善される可能性は大いにあります。一方で、転職することで給料が下がったり、新しい人間関係の悩みが生まれることも、同じぐらいあり得るのです。もしかしたら「現在の会社に残って、環境を変えること」が最適解である可能性も、十分あるのです。
自分が何を望むかの優先順位が整理ができ、現在の環境では目的が達成できない、というところまで確認したら、いよいよ転職の計画を練るときです。しっかり自己分析を行い、どうしても獲得したいインセンティブを書き出した後に、転職活動を始めましょう。
真のインセンティブを書き出すことができたら、転職は半分成功したも同然です。例え転職先で嫌なこと・想像と違うような辛いことがあっても「自分は転職によって、OOというインセンティブを手に入れいている」と考えれば、目をつぶれることは多いものです。
転職することで獲得したい「真のインセンティブ」をしっかり言語化してから、転職活動に臨みましょう。